入局案内

メッセージ

耳鼻咽喉科

絶対的な不足から将来性は抜群。
術者としてレジデントを積極的に起用し、
早い段階で着実に力をつけさせる。

守備範囲の広さは半端ではなく、また、内科的要素をも持ち合わせる同科は、医師として興味が尽きることがないうえ、修了後の選択肢は広い。成り手が少ないことから将来性も保証されている。

充実した教育プログラムで専門医合格率は高水準

難聴の診断および治療、一般病院では扁桃摘出手術など炎症性の急性疾患に対する治療がメインになるが、同科の場合、入院患者の8割ががん患者である。加えて、鼻の内視鏡手術など疾患の種類も特殊なものが多く、また、主治医制による個々人と併せてくグループ診療も行っていることからも分かるように、大人数で診ていかなくてはならないような疾患が集中する。 同科の後期研修では、4年プラス2年、トータル6年かけて大学病院と関連病院を行き来する。特殊な疾患とコモンディジーズをまんべんなく経験することで、専門医の資格取得のために必要な能力を養っていくのだ。 また、希望者には大学院などで研究に打ち込める期間も設けており、博士号が取得可能な体制を整備している。「大学院1、2年次は臨床も行いながら研究テーマを勉強し、3、4年次は大学院研究に十分専念できるようにしています。」と、同科の佐藤主任教授は言う。 このような体制のもと、一般的な合格率は70%と言われる専門医試験合格率も、同科では90%を超える高い合格率を維持している。脳外に続く難しさと言われているが、同科の研修プログラムが専門医取得のための環境に結果的にフィットしているということだ。

特に岩手県での将来性は保証つき

岩手県は、埼玉、千葉、茨城に次いで、人口比の耳鼻咽喉科医の数が少ないという。さらに、深刻な高齢化と地域医療の崩壊が危惧されている現在、実質的には岩手県がもっとも耳鼻咽喉科の過疎化が進んでいる。 このような状況のもと、佐藤教授は「あらゆる人をお受けします」と、両腕を大きく広げ若きレジデントを迎え入れる構えだ。「どんな人でも大歓迎。ただ欲を言えば、最近の若い人は怒られ慣れていない人も多く、こちらが怒ると、落ち込むより前にびっくりしてしまう。怒られても気にしないで向かってきてくれる人のほうがいいですね」その点、最近では女の子の方が大胆で打たれ強いと佐藤教授は実感するそうだが、「基本的に元気のある人なら誰でも大丈夫」 と一言。
岩手医科大学では耳の臨床研究が活発として知られたが、臨床医としても優秀な医師を数多く輩出している。「間違いなく能力のある耳鼻咽喉科医に育てるので安心してついてきてください」と、佐藤教授。実績があるだけに自信はたっぷりだ。 耳鼻咽喉科医の過疎地である岩手県ではなおのこと、地元住民のニーズは高く、将来性は限りない。開業するポジションも多い。「ここでは楽しく研修でき、かつ腕を磨くことができる。何より、将来喰いっぱぐれることがない(笑)」と、桑島医局長。科の雰囲気もナチュラル(?)な佐藤教授をはじめアットホームで出身大学の壁は一切ないという。「やりがいは十分。半年でも経験してもらえれば、必ず当科の魅力を伝えられると思います」(桑島医局長)

頭頸部外科

守備範囲の広さ

耳鼻咽喉科の最たる魅力は、扱う部位が多岐に渡るという点だ。同科では頭頸部から上の脳、眼、歯を除いたすべてを、外科内科のボーダーを越えて扱うことになる。その守備範囲の広さは、医者歴、耳鼻咽喉科医師歴が30年を超える佐藤主任教授をもってして、「一度もやったことがない手術がまだたくさんある」と言わしめるほど。耳・鼻・のどを扱う耳鼻咽喉科という印象に加え、『頭頸部の外科全体』と考えたほうが近いという。
当科では頭頸部腫瘍を専門とする志賀教授のもと、岩手県とその周辺地域、いわゆる南部藩の地域の頭頸部腫瘍の多くを治療している。そのような中で『学べる症例の多さは、他医療機関と比べてひけを取らないばかりか多彩で、研修をするのにはモッテコイ』と志賀教授の口調は高ぶる。早い時期に多くの症例を経験し、多くの手術手技を覚えることで、将来性は確実に有望になる。今後の我が国を取り巻く医療情勢のなかで生き残るには必要条件であろう。
同科の桑島医局長も、「15分で終わる手術もあれば、12時間かかる手術もある」と、耳鼻咽喉科領域における手術内容のバラエティの豊富さを語る。
同時にそれが外科医になりたかった桑島医局長にとって魅力の一つになっているようだ。その後の進路は、大学に残るもよし、開業するもよし、地域医療に尽力するもよし。外科内科の両方を網羅しているため、「いわゆる“つぶし”がきくのも特徴」と、桑島医局長。
桑島医局長に自らの指導方針について聞いたところ、「任せるところは任せて、手取り足取り教えることはしません」とのこと。
同科では教授をはじめとして、講師、助教、そしてレジデントと、屋根瓦方式で知識や技術を順々に伝えている。医療現場における1つ1つの経験を大切にし、世代をこえて伝えていくことが、大学病院では特に重要だという。また、手術に関してもなるべく早く経験させるため、後期研修で多くの症例数をこなすことができる。もちろん、若手が術者になるときは上の医師がつき指導にあたる。
このような体制のもと、「関東圏や都市部の他大学と比べても、同等以上の技術を身に付けることができる」と、桑島医局長は言う。本人のやる気次第で、腕を磨くチャンスはいくらでも転がっているのだ。